これでは誰も夜討ちに応じなくなる

今回の財務事務次官のセクハラ問題。
だされた録音部分だけを見れば、明白にセクハラだが、事態が起きる前段があるはずだ。
事務次官に個別に夜、会って話を聞けるのは極めてハードルが高い取材だ。つまり難しい。
相手は仕事で取材に応じるのではなく、個人の時間に「好意」で話してくれている。
あくまでも取材対象側の好意、配慮でできている取材だ。
その際、いやいやながら酒を飲む、ゴルフに付き合わされる、果ては引っ越しの手伝いから、子どもの誕生日祝いを贈るーみたいなことまでやって表に出ない話を聞く。
取材する側からいえば、メシのネタになる話を引き出すわけだ。
大なり小なり、相手に合わせる無理をするものだ。
それが嫌なら、成立しない取材というか、会話だ。
だから、危ない情報もしゃべってくれる。本来、言ってはいけないことまで漏らしてくれる。
テレ朝の女性記者も、何度かの積み重ねの中で、次官のセクハラ的な言葉を受け入れてきたはずだ。それで徐々にエスカレートしていったのが事実だろう。
「そこに至るプロセスがあった。だから相手はセクハラ的な言葉も受け入れている、受け入れ取引している」と次官は考えたのだろう。
次官側が「部分だけ切り取った」と主張しているのは、そこに至る経緯の話だろう。
いきなり公開された話をしたわけではないーというわけだ。
表に出ない話をする代わりに、そちらも一定程度、代償をーというのはある意味当然だろう。
男の記者は、さまざまはチケットを持参したり、誕生日祝いや差し入れを持って行って「対価」を払っている。
それが嫌だというなら、形式的な会見の場だけで取材したらいいだけだ。
テレ朝は上から下まで、そういう取材の現実を知らないのだろう。そもそもテレビ局なんて、その程度のものだ。
この次官から「夜討ち」して取ったネタが生かされるような媒体でもないだろう。
慣れない、不必要な「夜討ち」をやっていた。だから取材のマナーもルールも知らない。
そもそもテレ朝が生かせもしない、不必要な取材だったというのが一番の原因だ。
必要な取材なら、次官もポイントは分かる。そこだけやりとりして終わりだ。
必要性の不明な取材をしているから、次官がなめて、キャバクラ感覚で対応した。それだけだ。
次官は悪いといえば悪いが、素人メディアと記者にまともに対応したのが失敗だろう。

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